じょんのびなくらしのデザイン

1.じょんのびなくらしって何?

 今 経済成長を優先するくらし・社会が、実に様々な問題にぶちあたっています。このへんで
経済成長優先から 持続するくらし、持続する社会に転換していかないといかんのではないかと考えます。
身近にある資源を見直し、活用し、人と人とのつながりを大事にしたくらしをもう一度作り上げていくことを
目指します。
いくつかのタイプが考えられますが、ここ高柳にはふさわしい 一次産業である農業、林業をベースとしたタイプを取り上げてみます。まず 「一次産業はけっして低レベルの遅れた産業ではない。生活の基盤産業であり、持続する社会には必要不可欠の産業である。」という強い認識を持ちたい。
目的:
 1)自然が行っている 空気・水の浄化、土壌の肥沃化を妨げない。
 2)人間だけでなく、ほかの生き物をも含めた健全な生態系を保全する。
 3)日々の活動が、美しい景観・愉しい生活文化につながるよう意識して動く。
 4)時間的・空間的・精神的・経済的に余裕のある、持続的なくらし:じょんのびなくらしを実現する。

2.身近にある多種多様な資源と産物

 中山間地には、平場よりもはるかに多種多様な資源があります。これらの資源と産物を組み合わせ、
磨きをかけ、アピールして、上記4つの目的の解を探していきます。







市場
(売買を目的とした
   生産と消費)
貨幣を媒介とする
財とサービス
(商品)



フロー






 



ストック
(日常の手入れで
維持する)

恵み

private
自給余剰分の商品化
自給不足分の購入
国および地方行政の財源 公的財政(税金・年金・保険)を
通して提供される財とサービス

public




相互扶助的社会関係が
生み出す富
自給、物々交換、共同作業と分配、
助け合い

commons
自然の層のもつ自給力、
健全な自然環境が生み出す無償の富
おいしい水や空気、海の幸、山の幸、
美しい景観、自然の遊び場
排熱、廃棄物の捨て場
(許容範囲がある)
生活の拠点

身近にある資源と産物

資源 産物、恵み
奥山 きれいな
水と空気
山登り
探検
遊び
体験
交流
二酸化
炭素の
吸収
景観
山林 木材、間伐材 薪、木炭
竹、山菜
筍、きのこ
栄養分
里山 木の実
川、池 コイ、ナマズ
ハヨ、カニ
ドジョウ
タニシ、ホタル
田んぼ
野菜 木の実、果物
集落 生活の拠点
道、野道
山道
移動、輸送、散策
太陽 太陽光(光合成、明るさ、発電) 太陽熱(温水、暖房)
雨、風 そよ風、換気 風力
重力 用水、湧水、水車、水力
情報ネットワーク 情報収集・発信 交流、宣伝、販売
人力、知恵・技、助合い、付き合い

 貨幣部門の肥大化(行き過ぎた経済成長)が、非貨幣部門を縮小し、さらに許容範囲を超えた廃棄物によって
自然環境と生活環境が破壊されます。収入が増え、一見豊かになったように見えますが、さまざまな大事なものが
失われていきます。景気の好不況の影響を受けやすくなり、また石油、食糧の高騰など投機マネーが生活を
直撃するようになり、不安の種が増えます。
 まず しっかりした非貨幣部門を維持します。住む家食べ物燃料地域の助け合いがあれば最低限の
生活ができます。収入が少なくても 経済的自立度を高くできます。その上に適度な大きさの貨幣部門を
積み上げることで豊かな生活はなりたちます。

 借金だらけになってしまい、利子と借入金の返済に追われ、充分な住民サービスができない公的財政の
立て直しは重要です。
サブプライムローンなどの虚偽の需要で、製品を作り過ぎてしまった反動で世界経済は危機的状態です。
くらしに必要なものが、手に入れば経済は機能しているといえます。いつもいつも拡大を続けないと
成り立たない経済のしくみは異常です。持続できません。

3.健全な自然環境と生活文化をベースにした経済
  (石油、食べ物の高騰など世界経済の嵐を「柳に風」と受け流す地域経済を目指す)

多辺田政弘著「コモンズの経済学」学陽書房、52ページを参考

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つづく

(研究員  長永 明)